3.11

 いやーみんな元気?。飛行機はしんどかった。結局トロントに着くまで16時間かかったよ。
バンクーバーで学生ビザの発行に時間かかって飛行機乗り遅れて一時はどうなることかと思ったね。このまま日本に送り返されたらどうしようって感じで、かなり焦ったなぁ。しかもイミグレの人不親切でどこ行ったらええかとか口でしか言わんからわからんし。結局ツアー客待ちの現地の駐在員みたいな人に聞いたりして何とか一つあとのに変えてもらった。1時間遅れで助かった。
 あとトロントとの時差が12時間やとおもっとったら14時間だった。もうそろそろ着くころやのに、おかしいなぁって飛行機の中で相当考えたぞ俺は。
 トロントは寒い!大雪で顔なんか冷たくて仕方がない。ステイ先はすでに6人の留学生がいて俺は7人目だった。といっても入れ替わりが結構激しいみたいやけど。サウジアラビア人が一人、たぶん石油王の息子。召使が一人いるらしい。んで彼は毎日お祈りをしている。ベネズエラ人が一人、韓国人が2人、日本人が俺を入れて3人。まぁ、みんないい人だと思う。ステイ先の子たちも明るくていい感じである。特に12歳の女の子はめちゃかわいい。
とまぁこんな感じでいまんとこうまくやっている、と思われる。

 こっちでは英語を話せないとどうにも生活しづらくて仕方がない。しかし俺はろくすっぽしゃべれんし聞き取りもほとんどできない。TOEIC600なんて何の役にも立たんぞ。というわけでなるべく勉強するようにしている。バスの中ではラジオを聞いて地下鉄の中では「メトロ」というただの新聞を読んだりしている。しかしホームステイには20歳の日本人の女の子がいてついつい夜中まで日本語でトークしてしまう。語学学校はまだ始まったばかりだがそれでも韓国人の友達を3人、日本人の友達を一人見つけた。友達はここでは、いや日本でもそうだけど、生きていく上で不可欠である。特に日本人は困った時に頼りになる。そんなこんなで人間関係についてもいろいろ考えさせられたりしている。

 ここカナダは移民大国で、バンクーバーで飛行機に乗り遅れて困っているときにどう見ても日本人であるグランドホステスに話しかけると英語で返事をしてくる。人が困ってんのに、と思って「何で英語何すか。」とちょっとキレぎみに言うと、「カナダ人だから。」と日本語で返ってきた。日本語はそこそこしか話せない日本人みたいなカナダ人なのである。さらにトロントに着いてタクシーに乗ると運ちゃんはパキスタン出身で25年トロントに住んでいるという。それにホストファミリーもイタリアからの移民で、パパとママは完全なバイリンガルやけど、グランドマザーはイタリア語しか話せない。いったいこの国は何がどうなってんのか、誰がカナダ人で誰が外国人なのかまったくわからん。街を歩けば英語以外の言語が聞こえてくるし、人種もめちゃめちゃ。チャイナタウンにグリークタウンにリトルイタリーになんだかんだとコミュニティがある。移民はみんなサバイバルしながら英語を身につけるようだ。だから俺も周りから見たら外人ぽくなくて道を聞かれたりするのである。とまぁいろいろ考えたりしながら元気に生きてます。

3.17

 今日は前トロントに来た時に知り合った友達、Nicoleに会いにFinchという遠いところに行ってきた。Nicoleは香港人でトロントには1年半くらい住んでいるらしい。だから英語はかなりうまくて、俺の先生といったところか。彼女はすでに3ヶ国語話せる。Cantonese, Mandarin(北京語?標準中国語), Englishでさらに日本語を勉強してるってんだからすごい。
 で、彼女にあって中華料理屋で昼飯食ったのであるがこれがうまかった。トロントには中国系の人も多く、ホンマの中華が安く食える。っていうか世界中の料理が食える。地中海料理も食ったし、イタリア料理は毎日食ってる。ホストファミリーがイタリア人だから。さらに中国人が作る変な日本料理も食える。まるでトロントは小さな地球のようである。で、フィンチからさらにバスに乗ってマークハムってさらに遠いところに行くと、そこにはChinese mollがあるではないか。めちゃでかいショッピングモールで店はすべて中国系の人がやっている。みんなバイリンガルかトリリンガルってことになる。中国人は人数が多いせいかどこに行ってもコミュニティを作る。ほんとにあのショッピングモールにいてはここがカナダとは思えない。客もほとんど西アジア系の黒髪、黄色なのだ。いやーかなりカルチャーショックだった。今日は中国について考えてしまった。
 Nicoleと別れたあとはRoberts Libraryに行ってちょっくら勉強した。ロバーツはめちゃ巨大な図書館で蔵書は約600万冊らしい。これはUniversity of Torontoの図書館のうちのひとつで、トロント大はその他に47もの図書館を持つらしい。ちなみに関学のは150万冊やっけ?で、図書館の前にはいつもChinese food trackが止まっていて、いつも食ってみたいなーと思っていたのであるが今日はちょうど腹も減ってたので買ってみた。うーん、うまい!ってわけじゃないけど、食える。しかし$4.75(約380円)で食いきれんほどの量だった。中国料理はなぜか安い。ちなみにfood trackという表現は多分辞書には載っていないが実際にそういうのだから仕方がない。こっちに来てから毎日辞書を引きまくっている。簡単な単語も発音や語法がわからなくて何度も引く。
 ところで今日は"Are you Korean?"って2回も聞かれたぞ。1回目はフィンチステーションでNicoleを待ってるときに中国人ぽいおっさんが近づいてきて聞かれた。"No."というとそのまま去っていった。2回目は帰りがけに「僕はボランティアステューデントなんだ。チョコレートいらない?」とコリアン風の青年がそう言って聞いてきた。もちろん"No, thank you." あ、ショッピングモールでも変なおっさんが寄ってきてバスについて聞いてきてNicoleと中国語で話した後に俺に中国語しゃべれんの?みたいなこと聞いてきたなぁ。だから俺はJapaneseと答えると日本人と中国人と台湾人と韓国人は区別できんといっていた。それはないやろぉ、あんた中国人やのに。というようにここでは会話の意図口に国籍を聞くことがよくある。
 あと英語についても書こうと思ったけど長くなったのでやめる。また読みに来てな。
 そうそう、メールくれたり掲示板に書き込んでくれた人ありがとう。返事が遅れがちやけど、許してくれ。なかなか自由にパソコン使えんのよ。外のパソコンは日本語打てないし。家では短時間しかつなげないし。

3.24

 今日の朝、同居の日本人女性が帰ってしまった。思えばたった22日間一緒にいただけだったが、ずいぶん仲良くなってしまったもんである。俺ら留学生には多くの出会いがあると同時に、多くの別れがある。それも長い長い、あるいは永遠の別れである。ここトロントには多くの留学生が集まるが、そのほとんどが1年以内に母国へ帰る。悲しいけれど、どうすることもできない。時は音も無くしかし確実に流れ、ある日突然実感として俺に突きつける。彼女と知り合って、21日経っても時が流れた気はしなかった。しかし、22日目の朝に俺の中で一気に時は流れたのである。
 昨日までは比較的暖かく、春の訪れを感じていたが、今日の朝は雪が降っていた。そして彼女は涙を流していた。同居の韓国人の女の子があとでこう言った。「雪が降っているせいで、よけい悲しいね。」
 俺は彼女のいた部屋を覗いてみたが、彼女はいなかったし、見送ったあと再び眠りにつき、そして目を覚ましてもやはり彼女はいなかった。昼過ぎ頃、韓国人の女の子も同じように部屋を覗いていた。薄暗い廊下に立つ彼女を部屋の入り口から差し込む斜陽が照らし、その姿を半分映し出した。そして彼女は俺の顔を見て悲しそうに微笑んだ。

 こっちに来て、やはり発音は大事だとつくづく思う。特にaの発音がムズい上に間違うとしばしば通じない。いや、センテンスの中で間違っても相手は類推できるからまだましだが、(それでも通じないときもあるけど)単語だけで言うとまず通じない。この前ホストファミリーと話してて俺が「journal(ジャーナル)を書かなければならない」、と言うと「…ジャーナル…?」と首をかしげる。そこで俺は「diary」と言い直した。すると、「Oh! journal」とわかってくれた。journalは、日本語で発音を表記するのはムズいが、ジャーナルよりむしろジューナルに近い。後で発音記号を調べてみると確かに「あ」のような「う」のような、よくわからん発音のあいまい母音だった。日本人からすりゃなんでそんな微妙な違いで理解でけへんねんて話だが、通じないのである。あと"bar"も「バー」って言って通じなかったなぁ。日本語の「あ」に当たるaの発音は5種類あり、これをマスターするには相当な時間がかかりそうである。

 また今日も長くなるけど、韓国の英語教育は日本と同じようにひどいもんだと思う。と言うのは、ここに数ヶ月住んでる韓国人は別として、来たばかりの韓国人の発音はめちゃくちゃ訛っていて聞き取るのがかなり難しい。韓国人はどうも「たちつてと」、「ざじずぜぞ」に近い音がうまく言えないようだ。だからThat's OK.はザッチュオーケーに、Let's go.はレッチュゴーに、sportsはスポーチュになる。このへんは理解できるが、「ペストペスト」と言うから「ペスト?何でペスト?」と考えていると「fast」だったし、「あんりー」と言うから「onlyかな?」と思うと「early」だった。これらの訛りはネイティブの話す英語を聞き取るのとはまた違った難しさがあるような気がしてどうしたもんだろうか。俺も発音悪いから人のこといえないんやけど、通じないとお互いにイライラするから困ったもんである。対して台湾や香港出身の人はかなりうまく発音すると思う。まぁ人にもよるけど。

返事をする時によくYes.とNo.を間違える。Did you eat lunch?なら簡単だけど、Din't you eat lunch?と聞かれると考える。最近は慣れてきたけど。食ったならYes。食ってないならNo。というか本当は迷う必要は無く、肯定ならとにかくイエス、否定ならノーなのである。で、韓国語も日本語と同じ文法らしく、この前韓国人に"Didn't you go to Korian town?"と聞かれ、行ったので"Yes"と答えると、「何で行かなかったの?」という。いやいや、行ったんだって。そういや日本語の返事はどっちかわからんときがあるよなぁ。「飯食わなかったの?」に対して「いいや」と答えるとき、「いいや、食った。」のか「いいや、食ってない。」なのかわからんぞ。