|
硬派留学のススメ
留学、と一言でいっても、その中身は実は留学生の数だけあるんやと思う。同じ1年間でも、ずっと語学学校に通う人、途中で、あるいはいきなりキャリアカレッジに通う人、語学学校に通って、どっか外国行ってまた戻ってくる人、とパターンはいろいろである。またその中でもせっかく学校行ってんのに全然勉強せえへんやつ、逆に学校終わると図書館へまっしぐらのやつ、寂しくてついつい同じ国のやつらとかたまったり、アパートをシェアするやつ、と生活形態もばらばら。
俺はこういう留学生は悪いとか、留学生はこうあるべきやとか言うつもりはない。ただ俺が思った留学生としての過ごし方が、これから留学しようとしている人たちに何らかの形で参考となり、留学について真剣に考えるきっかけになり、そして有意義な留学生活作りの一助になればいいと思う。
俺の場合は約1年という限られた時間の中で少しでも英語力を伸ばしたいと思っていた。だからそのための努力は惜しまなかったつもりである。ここでは俺自身が思う少しでも英語力を伸ばすための留学を紹介する。硬派留学のススメはやや厳しく、当然ながら全ての人から賛同を得ようなんてことは思ってないけれど、これを読んで自分もがんばろう、と思ってくれればうれしい。
1.留学のきっかけ
俺は大学2回生の夏休みに関学のやつら40人とカナダ、トロントに38日間の語学研修に参加してから、今度は一人で、一年間留学したいとずっとおもっとった。夏休みの研修では周りに関学生が39人もいたので英語はほとんど勉強せえへんかったけど、それでもなぜか同じように夏休みを利用してきていた台湾人数人と仲良くなったし、生まれて初めての海外ってこともあって、全てが新鮮で、毎日がめちゃめちゃ楽しかった、と記憶している。まぁ時の流れとともに美化されてるんかもしれんが。とにかくそこでは毎日が未知との出会いのようなもんで、カタコトの英語ながら台湾人の友達とかとしゃべるのが楽しかったし、カヌーやキャンプ、乗馬、ボートクルーズ、エスニック料理、ワンダーランド、さらにはナイアガラの滝と、まさにパラダイスであった。そんなこんな体験を通して、自分は知らないことを知ったり、新しい体験をするのがわりと好きな人間なような気がした。日本に帰って大学が始まると、確かに一緒にカナダに行ったやつらとかとそこそこ楽しい生活を送り出したが、やっぱり何か刺激のない生活やった。それにこのまま大して勉強もせんと、せっかく大学入ったのに何の専門性もないまま卒業してええんやろか、っておもっとった。なぜなら日本の文系大学生が、世界の大学生の中で一番勉強せえへんような気がしたから。
留学のきっかけは人それぞれやろうけど、まぁ大体の人は英語を身に付けたいと考えているはずである。しかし長期の留学になるとつらいこともたくさん出てくるし、親友や親とも長い間会えないので、中途半端な気持ちでくると英語は身に付かないし、寂しくなって日本人とずっと一緒に過ごすのがオチやと思う。つまり留学前にしっかりと親や友達には会えないと覚悟することと、なんとしても英語をものにする、困難に立ち向かうと意志を固めることが、留学中の困難を乗り切るために大切になってくるのである。
▲TOP
2.留学の迷い
というわけで、俺は今度は真剣に英語を勉強して、そんでもっともっと多くの留学生と話をして、外国のことを知りたいと思って1年休学して留学することにした。1年休学するってことは1年卒業が延びるわけで、1浪もしている俺は、あわせて2年、同じ年のやつらより社会に出るのが遅れるし、2年ありゃ修士号取れるわけで、その辺で多少迷ったがやっぱり行きたかった。それよりもむしろ友達と1年会われへんほうが嫌やった。高校の友達はまぁいいとして(どうでもいいという意味ではなく)大学の友達ってのはわりと付き合いが短く、ゆうたら絆が出来上がりきっていないところがあるような気がして、留学中に忘れられてしまうんじゃないやろか、と思ったのである。しかしそれを友達に話すと、「そういうやつは所詮その程度の付き合いやったってことやろ。残るやつは残る」ってことでまぁ大丈夫やろと思って決断した。
あと女の子やったら両親が反対したりとか、男でも経済的に厳しいとか言われたりする場合も少なくないんかも知れんけど、俺の場合は大学2年の夏休みに帰ってから1年半に渡りずっと「留学する」と言っていたせいか、大して反対もなかったし、お金は俺も多少稼いだが、親もギリギリ余裕があったようやし、じーちゃんばーちゃんの援助もあってたいした問題にはならなかった。「社会人になってから返す」と約束して借りたのである。ちなみにもちろんホンキで返す気である。ただしじーちゃんばーちゃんのは寄付。
でも親ってのは基本的にまず最初は反対するもんやと思うから、ホンマに留学したいんやったら、あっさり屈せず、こうこうこうやからどうしても留学したいんや!って熱意を伝えるのが大切ではなかろうか。あとは各ご家庭によるやろうけど。
迷いは断ち切ってからでなくては留学はしないほうがいい。なぜなら中途半端な気持ちでは一人で困難に立ち向かうこともできないし、真剣に英語を学ぶこともできないから。留学するからには全身全霊を持ってして目標に突き進むという意志力が、留学を成功させるためには必要不可欠なのである。限られた時間の中では、それくらい真剣にならないと英語ってのはなかなか上達しない。
▲TOP
3.留学の構想
留学するっつって何も決めないままいきなり旅立つやつはあまりいないと思われる。学校とか、住居とか、場所とか、期間とか、はじめに決めるべきことはいろいろある。俺の場合、2回生の夏休みに行ったトロント大付属ESLがよいと思っていたし、そのとき知り合った日本人から、「ビジネスコース最高」と何度も聞いていたので、比較検討することもなくそこに決めた。したがって場所と学校は初めから決まっていた。期間であるが関学の場合は半期休学もできんことはないようやけど、ゼミは通年やし、半年で帰ってきて何すんねんて話しやし、やはりそれなりの英語力を付けたいと思っていたので1年とした。留学中にやはりもっと期間を延ばそうかと考えたが、仮にあと1年伸ばしたところで中途半端なことしかできなさそうやったし、いい加減金稼がなあかんと思ったので、やはり1年になった。
留学といえばホームステイであるが、いきなり訪れた外国人の家に住むということで、初めは抵抗があったが、やはり英語上達には一番適していると思ったし、そんな経験も早々出来るもんではないだろうということで、留学前にはなぜかすっかり抵抗はなくなっていた。
そんでから本読んだりインターネット見たりして自分なりに調べていくうちにどうも一年間ずっと語学学校に通うよりも、途中からキャリアカレッジに進学してカナダ人と一緒に勉強した方がいいような気がした。語学学校ではたくさんの国からの留学生と知り合えるが、カナダ人とは知り合えない。俺は言語ってのは絶対に生活の中で覚えるの一番早いと思ってたし、だからカナダ人と話すのは絶対に重要やと考えていた。そして実際にキャリアカレッジに進学してそのことを痛感した。だから留学前の時点で、4ヶ月間語学学校で勉強して、んでからキャリアカレッジに行こうと考えた。しかし留学してみると英語を甘く見ていたことに気づき、4ヶ月では不十分で、結局六ヶ月勉強して、一人旅を経て9月からキャリアカレッジ進学した。
一人旅であるが俺は「世界の車窓から」が好きで、見るたびにいつか俺も電車でこういうところを旅してみたい、と思っとって、カナダ留学中になんとしても実現させたかった。一人旅については日記の方で詳しく書いた。ここでも少し言うと、一人旅ってのは英語を上達させる上でメチャ有効な方法だと思う。電車に乗ると誰もが暇人で、絶対に誰かが話し掛けてくるし、ホステルではルームメイトと何かしゃべるはずである。それに旅に必要な情報はもちろん全て英語であり、話す時、聞く時も、語学学校にいたときとは比べものにならないほど必死である。それだけ脳みそが回転するわけで、上達も早い。人間は生き延びるために未知の力を発揮するもんやと思った。これホント。
ここでしっかり自分にあってそうな学校やホームステイを探したり、もしも合っていなかったときのための対策を考えておくことが大切である。そうでないと、こんなはずではなかったのに…もういいや…なんてダラダラ生活を過ごすなんてことになりかねない。やはりどんなに慎重になっても、学校やホームステイには当たり外れはつきものであり、大切なことはそのときどう対処するか、である。こういった困難に英語で立ち向かうには1番、2番で書いた意志力や覚悟が必要なのである。
▲TOP
4.留学での目標
3.で書いたキャリアカレッジ進学と、一人旅以外に、もう一つ目標を立てた。それは日本語をしゃべらないということ。語学研修に参加した時、絶対日本語をしゃべらない日本人がいた。で、その人が東大生ということもあり、俺にだってできるわい、と勝手に闘志を燃やしたのである。でもこれ本当によかったとおもっとる。詳しくはあとで書くけど。とにかく留学するにあたって、自分なりに目標を立てることが大切やと思う。その目標は自分にとって難しければ何でもいい。例えばTOEICが300点の人やったら、600点でもええと思う。でも500点あるんやったら800点とか、もっと上を目指したほうがええ。留学における目標は、達成することが目的なのではなく、それに向かって努力することが最も大切なのである。目標があると、しんどい時や挫折しそうになったときに踏ん張りがきくので、最低でも1つは立てることをオススメする。
▲TOP
5.2度目のカナダを踏む
カナダに着いた日のことは今でもよく覚えている。空港に着いて、とりあえずステイ先に電話した。どうやってくるんだって聞かれて、地図があるから大丈夫って言った。外に出るとめちゃ寒くてびっくりしつつ、リムジンタクシーが何台か並んでいるのを見て、それん乗ってドライバーに住所と地図が書いてある紙を見せると、持っていた地図帳で調べなおして、ちゃんとステイ先まで連れて行ってくれた。ここでよく空港ピックアップサービスってのがある。俺も日本にいるときにエージェントからそういう話があったが、「空港にはタクシーが並んどんのにそんなもん頼むやつはおらんやろう」とあたりまえのように申し込まなかった。それに高かったし。しかしカナダについていろいろ聞いてみると、多くの人がこのピックアップサービスを頼んでいることを知って、驚いた。なんでや…と。ちゃんとした地図、あるいは住所があれば、タクシーで問題ないわけで、やはり自分の力で道を切り開く力をつけるためにも、そして少しでも英語を使うためにもエージェントなどのサービスには極力頼らない努力をした方がいいと思う。やや厳しいことを言うとるかもしれんけど、これが硬派留学のススメの一つである。俺はピックアップサービスを頼まなかったおかげで、早速タクシーの運ちゃんと英語でしゃべる機会を得た。あんまり通じなかったけど。
▲TOP
6.驚くべき韓国人の数
学校に行って驚いたのは韓国人の多さである。前に夏休みに来た時はこんなにいなかったような気がするんやけど…と考えてみたが、目の前には韓国人の集団が。初めのうちは正直彼らがうっとおしかった。なぜなら多くの韓国人はお互いに小集団を作り、ずっと韓国語しゃべるし、したがって他の留学生は自然的にやや排除されたような形になる。そんでもってカナダ来て始めの1ヶ月くらいはホームステイしていても、すぐに韓国人同士でアパートをシェアして、学校のあとは韓国人と、韓国語で、韓国料理って、全然カナダで英語勉強してる意味無いやんけ!韓国帰れや、っておもっとった。最初のころは俺は英語に闘志をメチャメチャ燃やしとって、1分でも長く勉強したいモードやったし、そんな風な韓国人の姿は受け入れがたかった。
でもしばらくして、彼らのうちの何人かと仲良くなって、彼らのことを知ると、そんな気持ちも無くなっていった。一番初めのステイ先には二人の韓国人がいて、そのうちの一人をイングリッシュネームでティナといった。彼女はホストマザーの作る料理が口に合わないとかで、週に1度か2度しか夕食を家で取らなかったので、初めのうちは話すこともあまりなかったのであるが、なぜかちょっとづつ仲良くなって、部屋で話をしたりすることもあるようになった。しばらくすると彼女も他の韓国人と同じように、ホームステイを出て韓国人の友達とシェアハウスの一部屋に住むようになった。その後彼女に会うと、学校以外はほとんど韓国語で、あんまり英語勉強してないし、学校にも週に3、4回しか行っていないということだった。その一方でもっと勉強しないとダメなんだけど、とかルームメイトとケンカが絶えないとか、寂しいとか、いろいろ悩んでいるようだった。
学校で最初のコンプレヘンシブコースを終えた俺は予定通り次はビジネスコースに進んだ。そこでジャックという、ちょっと変わった韓国人と知り合った。彼と一度クリスティの駅を出てすぐにある公園で話をしたことがあるんやけど、そのとき彼はもっと勉強したいんやけど、ここには韓国人が多すぎるし、仲良くしてた友達もトロントを出て行っちゃったし、なんかここに来たのは間違いだったかもしれない、といろいろ悩んでいるようだった。そして近くのテーブルに3、4人で集まって話をしている韓国人の女の子を指して、彼女達も間違いを犯してるなぁ、ってつぶやいとったんを覚えている。
そういったことを通して俺は、一見なんも考えんと親のすねかじって韓国人同士で遊びほうけているように見えてるやつの中にもそうやって、本当はもっとがんばりたいんやけど、なんかいろいろ悩みがあったり、寂しかったり、人間関係がうまくいかなかったりして、なかなかがんばりきれなくて、もがき苦しんでるやつもいるんやってことを知った。それからは一見全然勉強せえへんと、韓国人同士で固まってるやつらを見ても、ああ見えてみんなそれぞれ悩んどるんやろなぁって、それなりに一生懸命なんかもなぁって思えて、もう韓国帰れやなんて考えなくなった。
ここで俺は人をうわべだけの行動で判断したらアカンかもって思ったし、人それぞれの生き方を認められるようになったと思う。俺が日本語しゃべらんと、日本人同士でかたまらんでも何とかやっていけるからって、他のやつらが同じようにできるかって言うと、そうでもないし、やる気がないからってそれだけでダメ人間ともいえないし、話してみたらティナみたいにメッチャええ人かも知れへんわけである。
最初のころは俺は韓国人集団と、いうたら沈黙の戦いを勝手に繰り広げていたのかもしれへん。でもその中に入り込んで、彼らの話を聞いて、そして受け入れられるようになったことで、なんかちょっと人間的に成長したような気がした。錯覚かもしれんけど。
留学すれば韓国人、あるいは日本人など、とにかくそういった集団には必ず出くわすと思っておいたほうがいい。しかし避けてばかりいないで、そこでうまく人間関係を形作ることが文化や経験を共有するうえで大切やと思う。他人が自分を成長させてくれることもあるということを忘れてはならない。
▲TOP
7.脱日本人の輪
さてここが硬派留学のススメ最大のポイントではなかろうか。いまや日本人留学生はどこに行ってもいると思ったほうがええやろう、語学留学の場合。もちろん英語の上達のことを考えたら日本語を減らして、その分英語を増やした方がいいわけで、なるべく日本人の少ない学校を探したりする人も多いことやろう。経験上多くの留学生の場合、ホントは日本語しゃべりたくないんやけど、なんか寂しいし、悩みはつきへんし、そんな悩みを英語で他の留学生に相談するのはなかなか難しい、だから聞いてよ、日本人さん、って感じでついつい仲良くなってしまいがちで、気がつけばがっしり絆が出来上がっていた、ってパターンが多いのではないやろか、と勝手におもっとる。
俺は日本人の数はあまり関係ない、と考える。日本人が多少多くても、学校には他国からの留学生も必ずいるはずで、彼らと話せばいいわけである。だからといって日本人集団と絶縁する必要はない。その辺の人間関係のバランスのとり方が実はなかなか難しいのであるが、これは解決できる。どうすればいいのかというとそれは日本語を話さないことである。まぁちょっとくらいええか、と思って日本語を話してしまうと、相手は大抵、あ、この人は日本語でええんや、って思って、次からは遠慮なく日本語で話し掛けてくる、そうするとこっちもついつい日本語で答えてしまって、そのうち「今度トンカツパーティやるんやけど」、みたいんなって日本人の輪に引きずり込まれていく。
しかし逆に俺みたいに意地でも日本語をしゃべらないと、相手もそれをわかってくれて、気を遣ってか、毎回ちゃんと英語で話しかけてきてくれるようになるし、そうなると必然的に、もう英語諦めちゃった組の日本人とは縁遠くなり、やる気あるやつ、実は日本人ともなるべく英語でしゃべりたいと思っているやつだけが自分の周りに残る。で結果として他国の留学生とのバランスもとれるのである。そうでないと仲いい友達はほとんど日本人状態になりかねない。
つまり英語しか話さないことによって、英語力そのものの上達を図るとともに、人間関係のバランスもとってしまうのである。これは俺にとっても意外な効果であった。おかげで俺は外国人の友達がわりと多かったし、彼らからしか聞けない、いろんな話を聞くことができたと思う。
英語しか話さないことは英語初心者にとっては確かにかなりきついことかもしれない。しかしきついのは最初1、2ヶ月であって、これを乗り越えると次第に楽になってくる。ここで俺は「英語上達に関わる循環の法則」を発見した。何かっちゅうと、カナダに着いてすぐは英語も全然しゃべられへんし、慣れない環境でわからんことだらけやし、ホストファミリーとはトラブルし、ホームシックにはなるし、といった感じで悩みが絶えない。そこで誰かに相談、ということになるのであるが、英語がつたないがために相手は日本人ということになってしまいがちである。相談すると問題解決とまではいかなくても、なんだか心が晴れる、んで次もついつい同じ人に日本語で相談してしまう。こうなると、
悩む→日本語で相談する→英語上達しない→したがってまた次も日本語で相談する
と悪循環に陥る。逆に英語で何とか粘ると、最初はカタコトで、言いたいこともうまく言えないが、次第にうまくなってくる。したがって相談も英語で何とかなるようになり、日本語を話す必要がなくなる。つまり、
悩む→英語でがんばって相談→英語上達する→英語で大丈夫なので日本語話さない
という好循環が生まれる。つまり全然しゃべれない時期をどれだけ粘って耐えるかが勝負の分かれ目やと思う。ここで諦めるとダメ。英語は学校の勉強だけでは不十分である。それは学校の先生も認めている。だから学校以外でどれだけ英語に浸るかが上達の分かれ目となるのである。
ここで大切なのは日本人の数云々といった環境よりもむしろ自分の意思力だといったほうがいい。周りに流されずに自分の信念を貫き通す力、これが大事。
▲TOP
8.一人旅のススメ
留学したら女でも男でも、ぜひ夏休みとかを利用して一人旅することを勧める。旅に出る前、ビジネスコースを取っていた時に、韓国人の友達が、「俺の友達が1ヶ月一人旅して、帰ってきたらそいつメチャ英語うまくなっとってん。そいつが言うにはな、生き延びるためにしゃべらなければならなかった、やって」って話を聞いて、ホンマかいな、だいたい単語や文法の勉強はいつすんねん、て半信半疑やったけど、行ってみて一人旅がこんなにも素晴らしいもんになるとはおもわんかったし、本当に英語力を伸ばすのにいいと思った。これも詳しくは日記の方に書いたので、ここでは中身までは言わないことにする。が、少し触れると、電車に乗るとカナダ人が多く、しかもみんな暇なので、よく話しかけられる。俺なんかオブザベーションデッキで外をぼけっと見ていると、一緒にスクラブルをやろう、と誘われたりした。それにホステルではルームメイトと出会いがあり、いろんな話をすることができた。エドモントンはめちゃキレイな街やったし、俺の地元を走っているチン電が払い下げられて、日本語行き先や広告つけたまま走っている姿にも出会って、チン電がエドモントンに!って妙に感動した。そしてなんといってもジャスパー、アイスフィールドパークウェイ、バンフの自然の美しさは忘れることができない。2週間で約7570キロの旅で、俺にとっては生まれて初めての一人旅で、全部英語でやってのけたのはその後の大きな自信につながった。そして韓国人が言っていたほどではないかもしれんけど、確かにリスニング力は上がったと思う。情報を聞き逃すと旅が続けられないわけで、必死やったし、多くのカナダ人と話せたのがよかったと思う。
女の子の中には一人は怖い、と断念する人も確かにいる。俺は安全を保障するわけではないが、そんなに危険とも思えない。電車の中で殺されたり、レイプされたりするとは考えられんし、ウィニペグ、エドモントン、カルガリーもある程度観光地化されていて、人気の無いところにいったり、夜間うろついたりしなければ大丈夫やと思う。そしてジャスパー、バンフはほとんど観光客ばっかりなので、まぁ大丈夫やろ。特にバンフは日本人も多い。
▲TOP
9.キャリアカレッジのススメ
俺は語学留学であっても、キャリアカレッジへの進学をかなり勧める。理由はいくつかあるが、まず、カナダ人と友達になれる(写真を見ての通り)。語学学校に通う留学生の悩みとして、ネイティブの友達ができないという事実がある。とは言ってもカナダ人とそれなりにコミュニケーションをとるにはかなりの英語力が必要であり、進学前に英語をしっかりと勉強しておいた方がいい。あまりにもしゃべれないと、かなりフレンドリーで辛抱強いカナダ人でないと、ダメだこりゃってなってそっぽを向かれかねない。特に男は要注意である。女の子は日本人てだけでけっこうモテる傾向にあるので、男ほど心配する必要はない、がそれでもやっぱりある程度は英語力を高めておくべき。それからカナダ人の中にはフレンドリーなやつも多いが、もちろんみんながそうではないので、入学後は自分から積極的に話しかけていくことが大切。
んでから次の理由は、日本人が少ないということである。語学学校の場合、今やどこに行ってもそこそこの数の日本人はいると思ったほうがいい。しかしキャリアカレッジは語学学校に比べると日本人の数は極端に少ない。現に俺の場合、他のクラスには3、4人いたようであるが、俺のクラスには俺一人だけだった。全生徒に対するパーセントで言うと、実に5%にも満たないくらいである。日本人がいるかいないかは、気にする人としない人がいるやろうけど、いなければその分他の国の人との交流が増えやすくなると言える。
そしてさらに、英語以外にも何か勉強できるというメリットがある。例えば俺みたいにコンピュータとか、あるいは料理とか、写真とか、カクテルの学校なんてのもある。でもまぁ1年の留学で、語学学校のあとで行くとなると、そういった専門性はあまり期待できない。むしろカナダ人との交流や英語力の向上が中心となり、専攻はおまけみたいなもんやと考えた方がええやろう。
しかし一方で、授業はカナダ人に合わせて進められるので、かなりハードだと思っておいたほうがいい。俺の学校はまだましやったけど、友達で、飯を食う時間もないつって必死で勉強しているやつもいた。それから学校にもよるのかもしれんが、授業は基本的に講義中心なので、クラスでちゃんと友達を作らないと、リスニングとリーディングしかできない状況にも陥りかねない。したがってキャリアカレッジは、語学学校に比べて、自分で自分に適した環境を作り出す能力が必要とされると思う。
キャリアカレッジに行くと多くのやつは英語ペラペラで、移民とか2世とかいて、2ヶ国語パーフェクトなやつも珍しくないし、与えられるテキストはやたら分厚くて、進むのが早くてビビってしまうかもしれんけど、そこは時間をかけて努力でカバーするしかない。俺ら留学生のメリットは、働いていないということである。カナダ人学生の多くは、バイトもしながら学校に来ている。したがって勉強する時間はカナダ人よりもあると言える。知識なんてのは努力すれば必ず身につくので、心配しすぎないことが大切。
▲TOP
10.ホームステイのススメ
留学での住居の形態はだいたい次の3つやろう。ホームステイ、アパート、シェアハウス。そしてさらに一人なのか、あるいはルームメイトと一緒なのか、で分かれる。シェアハウスというのは聞きなれんかもしれんが、一つの家にある部屋を、アパートのように貸す形態のことである。しかしアパートと違って家なので、洗面所やシャワー、トイレ、電話は共同となる。で、俺がトロントにいたときは、アパートやシェアハウスを借りてルームメイトとシェアするパターンが、ホームステイと並んで多かったように思う。アパート、シェアハウスの長所は同居人にあまり気を使わなくていいし、食事も好きなときに好きなものを食べられることだろう。しかし生活費はというとホームステイと同じか、あるいは高くなる場合がほとんどなようだ。俺の知り合いの日本人女性で、月1500ドルの部屋を二人でシェアして払っている人もいた。すると一人750ドルで、俺のステイ代720ドル(3食付)より高い。食事を作ればまだ安くつくが、めんどくさくてつい外食、となることが多くなる人もいる。
そしてシェアは大抵同じ国の人間とするので、絶対に母国語を話してしまう。これは英語上達、文化交流の上で大きなダメージとなってしまうと思う。俺はやはり言語や文化、価値観の違いに対する理解といったものは生活や経験、人と接することによってこそ身につくものだと考える。
対してホームステイはというと、確かに食事の時間もメニューも決まっているし、いらない時はいついつまでに連絡しなければならない、ってルールがあり、気を使う。さらにステイ先によってはもっと細かいルールがあったりする。しかし一方で、英語の勉強にはもってこい(ホストファミリーがネイティブもしくはネイティブ並の英語力をもっていれば)やし、あまり家事に時間を割くこともない。したがってその分勉強できる。さらにカナダについて、例えば法律とか、慣習、常識、社会問題、政治、食べ物のこと、価値観など、いろんな話を聞けるし、英語も教えてもらえる。ホームステイは留学しないと絶対にできない体験やと思うし、いいホストに当たれば、お金には換えがたいものを得ることができるだろう。多少の不便さは我慢してでもホームステイにすることを勧める。
確かに俺も、20日間だけではあるが、アパートをシェアして住んだことがある。でもそのときは二人の韓国人とだったので、日本語を話すことはなかったし、一緒にコリアンタウンに食材買いに行ったり、ついでに韓国料理食ったり、家では酒飲んで話ししたりとけっこう楽しかった。どんな場合にしても同じ国のやつと母国語で、というパターンを避けるのが硬派留学の基本である。
ところでホームステイを選ぶにあたっていくつかの注意点がある。それはカナダは移民が多い国なので、ホストによっては母国語の訛りが残っている場合がある。俺の場合、イタリア人のホストファミリーと住んだことがあったが、よくイタリア語が飛び交っていたし、彼らは生活の中で英語を身につけたようで、学生たちに教えるということはなかった。イタリアとカナダと両方の文化に触れられたという意味ではよかったけど、英語を身につけるという点から考えると今ひとつだった。
それからもうひとつは、ホストの中には5人から8人くらいの留学生を受け入れているところがあるということ。俺の最初のホストがそうだった。俺がいたころは国籍もまちまちで結構楽しくやっていたのだが、俺が出て行ってしばらくすると、日本人が6人くらいになっていたらしい。そうなるとただの日本人寮なので、大勢を受け入れているホストのところへ行く予定の人はよく確かめよう。
▲TOP
終わりに
さて、硬派留学のススメ、いかがでしたでしょうか。中にはそんなんおかしいとか、嫌やとか思われる方もいらっしゃるでしょう。でもそれはそれでいいと思う。最初にも述べたように、留学生の数だけ留学の形があると思うからだ。でも誰しも後悔だけはしたくないはず。どんな形であれ、留学してよかった、留学でこんなことを得た、こんな風に変わった、と思えるようになって欲しい。「私は日本人の友達いっぱい作って、帰ってからも全国ネットワークを作って、ずっと連絡をとるんだ」、と思うならそれもいいと思う。確かに俺も、日本にいては絶対知り合えないであろう、東京や愛知、神奈川の人と知り合うことができた。ただ俺の目標はそうではなかった、というだけのこと。日本に帰って友達と飲みながら、俺が「日本語しゃべらんだけじゃなくて、自分のホームページとヤフーのニュース以外の日本語サイト見るのも禁止しとった」と何気なく言うと、「おまえそれやりすぎ」って言われたのを覚えている。とにかく自分なりに一生懸命、を大切に。
|